- 学名:Pygoscelis adeliae
- フリッパーの長さ:18.9~19.2cm
- クチバシの長さ:3.6~4.0cm
- 食べ物:ナンキョクオキアミなど
甲殻類のほか、小魚やイカ、タコ - 推定個体数:14,932,000羽
(1998年)
世界一有名なペンギンの知られざる秘密。
南極を紹介した写真や絵の多くに、白と黒ではっきり色分けされたペンギンが登場する。アデリーペンギンは、まさに南極を象徴する存在といっていい。同時に世界で最も有名なペンギンでもあるが、ほかのペンギンが体に斑紋(はんもん)や帯模様、カラフルな冠羽[かんむりばね][かんう]
頭の部分に生えた飾り羽根などの特徴を持つのに対して、単純な白と黒の色分けのみで、その容姿は実に地味である。しかし、そんな彼らも「目」には装飾的な特徴を持っている。一見すると白目の中にクリクリとした黒目があるようにしか見えないが、実はこの白目に見える部分はアイリング目のまわりに
ふちどりのように生えた
羽毛。ヒゲペンギンには
黒いアイリングがある
といわれる白い羽毛なのだ。彼らが視線を動かしたり、興奮して目をむいたりしたときに、羽毛の下から本物の白目が顔を出すのである。
タイムリミットは24時間。
アデリーペンギンの夏はあわただしく過ぎていく。なぜなら、彼らは10月から2月という南極の夏の期間に繁殖活動を行うからだ。初夏を迎えるころにオスが営巣地巣をつくる場所。ペンギンは毎年
決まった場所に巣をつくるものが多いに戻って巣をつくり、メスの帰りを待つ。しかし、待つのはせいぜい24時間程度。多くのつがいは示し合わせたように落ち合い、繁殖活動に入るが、メスの到着が間に合わないとオスはさっさと別の相手を探し始めてしまう。もう少し待ってあげても、と思うところだが、これはオスが浮気性だからというわけではなく、すべては子どものため。とても短い南極の夏の間に交尾、産卵、抱卵卵を抱いて温めること
、育雛[いくすう]
ヒナを育てること、ヒナの巣立ちまでを終わらせなければならず、1日でも多くヒナのための時間を確保して、確実に巣立たせたい…そんな親心からのものなのだ。
ペンギンを代表する存在となった理由。
「ペンギン=南極」が多くの人が持つイメージであり、ペンギンといえばアデリーペンギンの姿を思い浮かべる人が多いだろう。日本に最初にやってきたのはフンボルトペンギンにもかかわらず、アデリーペンギンが最もメジャーなペンギンとなった背景には、日本の南極探検史がある。1910~12年に南極探検を行った白瀬隊日本で初めて南極探検に挑み、
ロス海到達後、犬ぞりで
南緯80度5分・西経156度37分の
地点まで辿り着いたは、わずか204トンの帆船で南極ロス海到達という快挙を果たし、国民的英雄として日本に戻った。彼らが持ち帰ったアデリーペンギンの写真や映像、そして剥製(はくせい)が、南極探検の快挙とともに伝えられ、ペンギンの存在が国民に広く知られることとなったのだ。つまり「ペンギン=南極」というイメージもこのときにつくられたものなのである。
ホシザキのマークもアデリーペンギン?
ペンギンマークといえば「ホシザキ」。このマークのペンギンは、南極を代表するアデリーペンギンがモチーフになっています。そして、このサイトに登場するキャラクター「キューブ」「チップ」「アイス」も、もちろんアデリーペンギン。ちなみにここだけの話、チップはキューブのガールフレンド、アイスはキューブの弟なんですよ。
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