フンボルトペンギン属
マゼランペンギンMAGELLANIC PENGUIN
- 体長
- 体重
- 学名:Spheniscus magellanicus
- フリッパーの長さ:18.6~19.5cm
- クチバシの長さ:4.8~5.3cm
- 食べ物:小魚のほか、オキアミなどの甲殻類、イカ、タコ
- 推定個体数:1,200,000繁殖つがい
(1998年)
マゼランペンギンの繁殖地
- 繁殖地
- 孤立した繁殖地
どこで会えるの?
Story of
Magellanic Penguin~マゼランペンギンのはなし~
その名は歴史に名を残す
冒険家から。
フンボルトペンギン属特有の黒い胸のラインが2本あるのは、マゼランペンギンだけである。そのため、同じ属の3種に比べて判別が容易だ。白い腹にはまばらに黒い斑点があるが、これはフンボルトペンギン属共通に見られる特徴で、斑点の数や大きさ、位置は個体ごとに異なる。換羽をしても同じ場所に斑点ができるため、個体の識別にも活用されている。マゼランペンギンという名は、太平洋と大西洋を結ぶ海峡を発見した「マゼラン」に由来する。彼が世界一周の航海時に見つけたペンギンであったため、マゼラン海峡同様、彼を讃えて名づけられたものなのだ。また、航海記録をまとめた 「最初の世界一周航海記」はペンギンのことを記した世界初の出版物にもなった。
黒いラインは狩りの道具。
胸の黒いラインが印象的なフンボルトペンギン属。なんのへんてつもない模様に思える黒いラインは、実はエサをとる際に重要な働きをしているのだ。フンボルトペンギン属はイワシなどの群れで泳ぐ小魚をおもなエサとしている。彼らは、魚の小さな群れの周りを泳ぎ、群れが崩れてバラバラになったところを狙って魚を捕まえる。この行動と体の模様との関係を調べるための実験を行うと、アデリーペンギンなどの単純なツートンカラーよりも、フンボルトペンギン属のシマ模様の方が群れを大きく分裂させ、また群れの状態に戻るまでの時間がかかったという結果が得られた。黒いラインは魚の群れをかき乱し、より魚を捕まえやすくする狩りの道具のような役割を果たしているのだ。