九州航空は新鮮なフグやマグロを全国に出荷。品質と安全にこだわった運送で評判だ。2018年11月に発足したばかりの水産事業部は、新たに加工品を販売すべく加工場を併設。現在はマグロ原体の販売発送を行っているが2019年10月より加工品の販売を本格稼働させる予定だ。
※お客様独自のご使用方法と感想であり、効果を保証するものではありません。
九州航空では、プレハブ冷蔵庫の中に微酸性電解水生成装置を設置し、冷却した微酸性電解水(以下:電解水)を工場内の様々なセクションに供給、魚体の殺菌に使っている。
従来は魚体の洗浄に殺菌海水を使用しているが、加工場の新設を機により良いものはないかとホシザキに相談。そこで提案されたのが電解水だ。しかし、水温が問題になった。
常温で生成される電解水は、外気温度によって水温が左右されてしまう。夏場等暑い時期は電解水の温度が上昇し鮮度に影響する恐れがあった。そこで電解水生成装置(タンク式)をまるごとプレハブ冷蔵庫の中に設置し、冷却した電解水を供給させるシステムを考案した。
マグロを冷却した電解水で殺菌し、鮮度と安全性を両立させることに成功したのだ。
「電解水を導入した一番のポイントは魚を傷めない殺菌力ですね。いろいろ試したあと、お客様にも見てもらい、変色や風味への影響がないという点で喜んでいただけたので、導入を決めました。」という支店長の猿渡さん。電解水は非常に強い殺菌力を持つが、有機物に触れるとすぐに分解されるため残留性がほとんど無いのが特長だ。そのため、塩素臭が付いてしまうこともほとんど無く、食品に幅広く活用いただける。
各所で供給できるようにした電解水は、マグロや器具はもちろん、他の作業にも積極的に活かしていく予定。またHACCP認証の取得も視野にいれており、ホシザキのHACCPサポート力も電解水を導入した理由の一つだ。
電解水で魚体を殺菌する秋吉さん
器具洗浄に使われる電解水
九州航空が特に注目したのが、エラに潜む細菌への効果だ。マグロのエラは海水が通り抜けることから非常に多くの細菌に汚染されている。そのためエラの細菌数を減らすことが重要になる。そこでホシザキはマグロのエラに対する電解水の洗浄試験をしたところ、非常に高い殺菌効果が確認できた。
さらに水産事業部は九州でも珍しい完全閉鎖型の施設だ。魚体を野外に曝すことなく全て作業が加工場内で完結できる。衛生管理に関しても常に万全を尽くそうという九州航空の信念がうかがえた。
特に細菌汚染が多いエラはしっかり電解水で洗浄する。
洗浄前後のマグロのエラから綿棒で細菌を採取、殺菌効果を顕微鏡で確認した。