すみだ水族館
どんなところ?
2012年5月、東京スカイツリータウン内にオープンした「すみだ水族館」。“いのちのゆりかご~水 そのはぐくみ”をコンセプトに、約260種類、計約7千点のいきものを9つのエリアで展示しています。館内の水槽の水はすべて人工海水で、都心にいながらにして「いきもののいのち」とそれをはぐくむ「水」を体感できる都市型水族館です。
水量約350トンの国内最大級の屋内開放プール型水槽で、49羽のマゼランペンギンが生活しています。環境に配慮して、照明はLEDを使用。朝から夜まで照度が24時間プログラミングされています。昼間は自然光に近い明るさに、夜間はうす暗い光に設定するなど、1日の環境の変化を演出しています。
ペンギンプールでは「プロジェクションマッピング」を利用したショープログラムが期間限定で実施されています。プロジェクターが水槽に映像を投影して、スピーカーが美しい音楽を流します。水槽の底面に映し出される映像に向かって潜ったり、動く光を追いかけたりする楽しそうなペンギンの様子を紹介しています。
ハイライト
プロジェクションマッピングを利用し、新たな展示を編み出したすみだ水族館。ペンギンの動きを引き出す工夫や、来館者も快適に過ごせる空間づくりなどには、“ペンギンをもっと好きになってほしい”という思いが込められていました。
すみだ水族館ではペンギンプールをはじめ、全水槽に人工海水を利用しています。施設が都心にあるので、外の海水を運ぶと手間がかかりますし、安定して確保することも難しくなってくるんです。また、運ぶ際にCO2が排出されるなど、環境にも負荷がかかってしまいます。そのため、地下の製造装置で人工的に海水をつくり、屋上にあるろ過装置などを使用し、循環させています。
ペンギンプールの前には、軽食やデザート、ソフトドリンクなどを提供する「ペンギンカフェ」があります。ペンギンをくつろいで見ていただくために、空調を細かく管理したり、アロマを焚くなど、ニオイのない空間にこだわっています。特に徹底しているのがプールの掃除。朝は約1時間30分かけてブラシで岩場をこすり、開館中も最低1時間に1回は汚れを流しています。
すみだ水族館ではペンギンに名前をつけていますが、それはただ見分けるためだけではありません。1日3回のゴハンの時に「だれがどのくらい食べているか」をチェックして、健康管理に役立てています。給餌前のミーティングでは「昨日◯◯はどうだった?」「△△がやせ気味だから多めにあげよう」などの情報を共有してから、ゴハンをあげるようにしています。
ペンギンたちにいい刺激を与えたい、そして、ペンギンたちが元気に泳ぐ姿をお客様に見てほしい…という思いから、プロジェクションマッピングを始めました。発案のきっかけは、ペンギンと遊んでいる時のこと。キラキラしたものや、ヒモ状のものに反応していたので、それを生かした企画を考えました。光を魚に見立てた形にしたり、動く速さをペンギンの興味を引く速度にしています。
プロジェクションマッピングを始めたことで、以前より水の中にいる時間が少しだけ長くなりました。運動量も始める前と比べて増えたため、ご飯をよく食べるようになったように思います。今後、映像の内容などを変えながら、ペンギンたちにいい刺激を与えていくことを続けられたらいいなと思います。岩の上でボーっとしている姿だけでなく、元気に泳ぐ姿を見ていただきたいと思っています。
今年生まれた子(ふうりん)は、去年までと違うペアが卵を産み、私たちが機械の中で温めて孵化させました。初年度はカップルが3組ほどしかいませんでしたが、いまは16組います。今後カップルがもっと増えていって、卵を産むペンギンの数が増えていったらいいなと思います。
繁殖しやすい環境を整えた「ブリーディングルーム」という部屋があります。空気が滞らないように扇風機を回し、室温をペンギンプールと同じ約22℃に設定しています。また、空気清浄機を置いたり、壁や床を拭いたりして除菌しています。ペンギンプールは陸場が少ないこともあり、今後ブリーディングルームとバランスをとりながら繁殖してくれたらいいなと思います。
私たち飼育スタッフは、お客様とたくさんお話するようにしています。ペンギンって近いようで遠い存在だと思いますが、実はそれぞれに個性があっておもしろいところがいっぱいあります。「この子はこういう性格で…」という話を聞くと、ペンギンとの距離がグッと近くなって、もっと好きになると思うんです。お客様にはぜひ、「すみだ水族館にいる◯◯が好き!」と思っていただきたいですね。
ペンギンをより身近に感じていただくために、いろいろなワークショップをやっています。夜に双眼鏡でペンギンを観察する大人向けイベント「ペンギンワッチ」では、カップルのイチャイチャしている姿や寝ている様子を見ることができます。お子様向けには、ペンギンの生態を学ぶイベントや、塗り絵などを開催しています。おもしろい発見がたくさんあるようなワークショップをつくっています。
すみだ水族館は、オープンから4年経ったばかりの新しい施設です。これから先10年20年と、ペンギンたちが具合を悪くせず元気に生活できる環境をつくっていきたいです。その中で、もっと繁殖がうまくいくようになればと思っています。ペンギンプールで多くのカップルが誕生したり、毎年たくさんのヒナが生まれるように、居心地のいい環境を目指していきたいですね。
ペンギン型のクッキーがかわいい「ペンギンパフェ」
ヒナ(ふうりん)、ごはんタイム全編!
ヒナ(ふうりん)、ペンギンプールにデビュー!
ヒナ(ふうりん)、ごはんを食べて満足そうな表情…
ヒナ(ふうりん)の遊泳練習
プロジェクションマッピング「ペンギン花火」
たった3週間でこんなに大きく!?ヒナ(ふうりん)の体重測定
おしり丸出しでも愛嬌たっぷり…ヒナ(ふうりん)の大胆な寝方
氷のペンギンに癒される「ペンギンフロート」
すみだ水族館について詳しくは
2016年6月16日に誕生したローズとわらびの赤ちゃん「ふうりん」。成長著しく、6月19日に105gだった体重は、7月9日にはなんと603gに!3週間前はちょうど良いサイズだったケースも、すでにぎゅうぎゅう詰めになってしまいました。
暑い日には足を広げて、大胆な寝方になるという「ふうりん」。よく寝るのは、お母さんペンギン「わらび」から受け継いだものかもしれない!?
館内のペンギンカフェで販売されている「ペンギンフロート」(税込410円)。ソーダの上に氷で出来たペンギンが浮かんでいて、キュートな見た目に心癒される一杯です。
「ペンギンフロート」と同じく、ペンギンカフェで販売されている「ペンギンパフェ」(税込510円)。ブルーパインゼリーの上にミックスベリーとバニラソフトが乗っています。トッピングのペンギン型クッキーは、食べるのがもったいなくなるかわいさ。
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