- 学名:Eudyptula albosignata
- 別名:ハネジロコビトペンギン
- フリッパーの長さ:12.1~12.5cm
- クチバシの長さ:3.6~3.8cm
- 食べ物:小魚のほか、イカ、小型の
甲殻類 - 推定個体数:3,750繁殖つがい
(1998,2001年)
1万羽に満たない絶滅危惧種。
コガタペンギンにそっくりで、ペンギンの祖先に近い種とされるハネジロペンギン。コガタペンギンの亜種同じ種の中でも、
地域によって
形や色が異なるものと見られることもあるが、10~20パーセントほど大きく、また体の一部にははっきりと区別できる特徴がある。それは、名前の「ハネジロ」にも示される、フリッパー翼にあたる部分の白いふちどりだ。コガタペンギンにも同様のふちどりはあるが、ハネジロペンギンの方がより幅が広く、はっきりしている。また、生態も繁殖期間が短い以外はコガタペンギンによく似る。しかし、いちばん大きな差といえば生息個体数であろう。コガタペンギンもそれほど個体数が多い種ではないが、ハネジロペンギンの場合、推定個体数が1万羽に満たない。すでに絶滅が危惧されるほどに減ってしまっているのだ。
洞窟ペンギンの住環境。
ハネジロペンギンの巣は、岩穴や洞窟の奥深いところにつくられる。巣のある洞窟の中は非常にホコリっぽいという。地面には換羽古い羽毛から新しい羽毛に
生え変わること時に抜け落ちたたくさんの羽毛や、乾いて砂のようになった排泄物などが積もっているからだ。洞窟特有の湿気、そして地面に積もったホコリ、人間からしてみれば劣悪な住まいのように思えるが、ハネジロペンギンにとっては外敵を避け、安心して子育てができる大切なわが家なのである。しかし、その安心できるはずの場所に人間が持ち込んだフェレットなどが侵入し、ヒナや成鳥が襲われ、中には全滅してしまったという営巣地巣をつくる場所。ペンギンは毎年
決まった場所に巣をつくるものが多いもあるのだ。
絶滅の危機にあるペンギン、その背後には…
ハネジロペンギンは、人間が連れてきたキツネやイヌ、ネコ、フェレットといった捕食動物による被害などで大きく個体数を減らし、絶滅が心配されている種のひとつである。これまで、多くの種類のペンギンが地球上から姿を消している。絶滅したペンギンの化石は発見されているだけで50種ほどがあげられるが、ほとんどが急激な環境の変化に適応できなかったり、他の生物たちとの生存競争に勝てなかったりして自然に淘汰環境や条件に
適応できたものが残り、
そうでないものが
滅んでいく現象されてきた結果と考えられる。しかし、今、絶滅の危機を迎えているものたちの場合、捕食動物による被害のほか、油による海洋汚染、エサとなる魚の乱獲、開拓による営巣地の破壊など、人間活動による影響を受けているケースがほとんどなのである。